家の中の温度を1年中快適に保つ断熱材は、内壁と外壁の間に設置されます。
壁の中に結露が起きると、断熱材の種類によっては水を溜め込み中でカビやダニ、腐朽菌が繁殖しやすくなります。
その結果、家の寿命を早め、住む人の健康にも影響する可能性があります。
発泡材の硬さは発泡倍率で表され、倍率が低いものほど硬く、高いものほど柔らかい素材です。独立発泡は30倍、連続発泡は100倍の発泡倍率で、表面を指で押すと硬さの違いがよく分かります。
独立発泡の断熱材は実験中ずっと水に浮いたままで、内部への吸水はほぼないか、ごくわずかでした。一方の連続発泡の断熱材はすぐに水を含みはじめ、約1分後には沈んでしまいました。
最近、グラスウールに変わる断熱材として多くのハウスメーカーでの施工が増えている連続発泡の断熱材。家の躯体に直接吹き付け発泡させることで、壁の中の細かい隙間も断熱材で埋め尽くすことができるため、断熱性能を高めるのがメリットといわれています。
しかし、直接吹き付けた躯体に防湿・気密の処理がなされていなかったらどうなるでしょうか。壁の中で空気が冷えると結露となり、躯体と断熱材の間に水分が生じます。まるで麩菓子のように柔らかく空気や水分を通してしまう連続発泡の断熱材は、今回の実験でも明らかになった通り、その中に水を含んでしまいます。
実は連続発泡の断熱材の施工現場では、躯体に防湿層・気密層の処理がなされていないことが多いといわれています。つまり、壁の中の断熱材が水に触れやすい環境になり、今回の実験と同じような状況が起こりやすいのです。壁の中の断熱材が水を吸い込み、どこにも逃げられず内部に溜まっている状態が長年続くとどうなるか…。家をつくる際は、こうした普段目に見えない部分の素材にも目を向けておかないと、後々大変な問題になる可能性があるので注意が必要です。
スモリの家などで使用している独立発泡の断熱材「スタイロエース」は、気泡が独立して並んでいるため、空気や水分を通すことがありません。断熱材そのものが熱を伝えず水を寄せつけないため、結露が起きにくいという特徴があります。
さらに、「スタイロエース」を使用したスモリの家独自の構造「スモリ工法」では、連続発泡で問題となっていた防湿層、気密層もしっかりと施工。高強度の木製パネルをアルミフィルムでくるんだ「銀我パネル」(特許取得)が「スタイロエース」と密着し、防湿層の役割を果たします。また銀我パネルを埋め込む柱の溝には高耐久のゴムパッキンが埋め込まれ、気密性を高めています。